昨日の続きです。
その私の目に留まった1冊が、「馬主求む!」(故 松本捷平さん著。有朋社発行)でした。
少し長いけど、感銘を受けたところが集約されているエピローグから、一部を引用しますね。
馬主になるのは、(注1)そう難しくないが、そう簡単でもない。経済的なリスクは当然想定しなければならない。楽しみ、感動、歓喜と引き換えにリスクを背負い込むという
マイナス方向の志向は、避けたかった。
そこで目をつけたのが、(注2)4人の馬主の共有制度の有効利用。4分の1の負担は心強く、精神的な余裕も生まれる。賞金、手当ては確かに4分の1の計算だけど、感動や歓喜までも4分の1には絶対にならない。100パーセントの喜びである。
(略)
サラ、アラ問わず(注3)2歳馬、もしくは3歳馬の購入をすすめたい。そして、入厩する前から持ち馬とおつき合いをする。時間の許す限り、接触する。馬の成長過程や競走馬の資質についてずいぶんと勉強になる。生産牧場との交際も新たに生まれると、この国の競馬のかたちも、さらに見えてくる。血統とは出会いと別れの絆であるのを実感する。
絵空事ではない実感。
(略)
「愛馬」という言葉を意識的に避けた。(注4)一口馬主募集のパンフレットには、盛んに出てくる表現だ。それに愛馬会の固有名称ともまぎらわしくなる。だから、避けた。現実の馬主の臨場感を持たせるためにも、情緒的な呼び方はそぐはない、とも考えた。なによりも、道楽の馬主ではないことを強調したかった。その持ち馬と4人の仲間と生産者や厩舎スタッフが、同じ水平線で夢を見て希望を語り合う馬主であって欲しいと願ったからだ。
注1:地方競馬の馬主の収入目安は「年収500万円以上」。この年収というのは源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を指す。
注2:現在は「20人」までの共有が認められている。共有馬主の持分比率は1人最低5%以上(1%単位で)。
注3:現在の馬齢の数え方では、「1歳馬」もしくは「2歳馬」となる。
注4:正式には「クラブ法人」と称し、小豆や大豆の商品取引の先物買いの投機相場と同じに語られ、商品ファンド法にのっとる。
以上です。この本を一気に読み、特に赤い部分に感銘を受けました。そしてこの時点(27歳)では全然年収は足りんけど、まだまだ年功序列が残っていたし、いつかは年収もクリアできるだろう。そしたら絶対馬主になって、そして競馬場で口取りを行う!ことを強く誓ったのでした。
そして、時は流れ2004年が終了。この頃は共有も20人までOKとなって更に門戸は下がり、この年の年収から推測すると、05年はついに目標年収を達成する筈。となると06年には申請できるな、、、と思っていたのですが。。。。